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金銭債権の共同相続

最高裁昭和29年4月8日第一小法廷判決(民集8巻4号819頁)

相続財産たる金銭その他の可分債権と共同相続人の分割承継
       主   文
 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人の負担とする。
       理   由
 上告代理人弁護士梶村謙吾の上告理由第二点について。
 相続人数人ある場合において、その相続財産中に金銭その他の可分債権あるときは、その債権は法律上当然分割され各共同相続人がその相続分に応じて権利を承継するものと解するを相当とするから、所論は採用できない。
 同第一点、第三点について。
 論旨第一点は、判例違反をいう点もあるが、判例を具体的に示さないから、不適法な主張たるを免れないし、その余は単なる訴訟法違背の主張であり、(被上告人等は、原審で、所論相続に関する事実を主張し相続分に応じて支払うべき旨請求しているから、所論の違法は認められない。)同第三点は、事実認定を非難するに過ぎないものであつて、すべて「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」、(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。
 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致で、主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    斎   藤   悠   輔
            裁判官    真   野       毅
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    入   江   俊   郎

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弁護士の先生に相談するのは初めてだったのでとても緊張していましたが、受付の方も笑顔で対応してくださり、また話しやすく、相談しやすかったです。

私は、聞きたいことをメモして行きましたが、本当につまらないことまでしっかり丁寧に教えて下さり、安心できました。ありがとうございました。

これからも宜しくお願いします。

遺産中の不動産の賃料債権の帰属

最高裁平成17年9月8日第一小法廷判決(民集59巻7号1931頁)

共同相続に係る不動産から生ずる賃料債権の帰属と後にされた遺産分割の効力
       主   文
 原判決を破棄する。
 本件を大阪高等裁判所に差し戻す。
       理   由
 上告代理人田中英一、同永井一弘の上告受理申立て理由について
1 原審の確定した事実関係の概要は、次のとおりである。
(1)Aは、平成8年10月13日、死亡した。その法定相続人は、妻である被上告人のほか、子である上告人、B、C及びD(以下、この4名を「上告人ら」という。)である。
(2)Aの遺産には、第1審判決別紙遺産目録1(1)~(17)記載の不動産(以下「本件各不動産」という。)がある。
(3)被上告人及び上告人らは、本件各不動産から生ずる賃料、管理費等について、遺産分割により本件各不動産の帰属が確定した時点で清算することとし、それまでの期間に支払われる賃料等を管理するための銀行口座(以下「本件口座」という。)を開設し、本件各不動産の賃借人らに賃料を本件口座に振り込ませ、また、その管理費等を本件口座から支出してきた。
(4)大阪高等裁判所は、平成12年2月2日、同裁判所平成11年(ラ)第687号遺産分割及び寄与分を定める処分審判に対する抗告事件において、本件各不動産につき遺産分割をする旨の決定(以下「本件遺産分割決定」という。)をし、本件遺産分割決定は、翌3日、確定した。
(5)本件口座の残金の清算方法について、被上告人と上告人らとの間に紛争が生じ、被上告人は、本件各不動産から生じた賃料債権は、相続開始の時にさかのぼって、本件遺産分割決定により本件各不動産を取得した各相続人にそれぞれ帰属するものとして分配額を算定すべきであると主張し、上告人らは、本件各不動産から生じた賃料債権は、本件遺産分割決定確定の日までは法定相続分に従って各相続人に帰属し、本件遺産分割決定確定の日の翌日から本件各不動産を取得した各相続人に帰属するものとして分配額を算定すべきであると主張した。
(6)被上告人と上告人らは、本件口座の残金につき、各自が取得することに争いのない金額の範囲で分配し、争いのある金員を上告人が保管し(以下、この金員を「本件保管金」という。)、その帰属を訴訟で確定することを合意した。
2 本件は、被上告人が、上告人に対し、被上告人主張の計算方法によれば、本件保管金は被上告人の取得すべきものであると主張して、上記合意に基づき、本件保管金及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成13年6月2日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めるものである。
3 原審は、上記事実関係の下で、次のとおり判断し、被上告人の請求を認容すべきものとした。
 遺産から生ずる法定果実は、それ自体は遺産ではないが、遺産の所有権が帰属する者にその果実を取得する権利も帰属するのであるから、遺産分割の効力が相続開始の時にさかのぼる以上、遺産分割によって特定の財産を取得した者は、相続開始後に当該財産から生ずる法定果実を取得することができる。そうすると、本件各不動産から生じた賃料債権は、相続開始の時にさかのぼって、本件遺産分割決定により本件各不動産を取得した各相続人にそれぞれ帰属するものとして、本件口座の残金を分配すべきである。これによれば、本件保管金は、被上告人が取得すべきものである。
4 しかしながら、原審の上記判断は是認することができない。その理由は、次のとおりである。
 遺産は、相続人が数人あるときは、相続開始から遺産分割までの間、共同相続人の共有に属するものであるから、この間に遺産である賃貸不動産を使用管理した結果生ずる金銭債権たる賃料債権は、遺産とは別個の財産というべきであって、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得するものと解するのが相当である。遺産分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずるものであるが、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得した上記賃料債権の帰属は、後にされた遺産分割の影響を受けないものというべきである。
 したがって、相続開始から本件遺産分割決定が確定するまでの間に本件各不動産から生じた賃料債権は、被上告人及び上告人らがその相続分に応じて分割単独債権として取得したものであり、本件口座の残金は、これを前提として清算されるべきである。
 そうすると、上記と異なる見解に立って本件口座の残金の分配額を算定し、被上告人が本件保管金を取得すべきであると判断して、被上告人の請求を認容すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。そして、本件については、更に審理を尽くさせる必要があるから、本件を原審に差し戻すこととする。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
    最高裁判所第一小法廷
        裁判長裁判官 才口千晴
           裁判官 横尾和子 甲斐中辰夫
               泉 徳治 島田仁郎

遺産たる金銭と遺産分割前の相続人の権利

最高裁平成4年4月10日(家月44巻8号16頁)

相続人が遺産分割前に遺産である金銭を保管している他の相続人に対して自己の相続分相当の金銭の支払を請求することの可否
       主   文
 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人らの負担とする。
 被上告人の民訴法一九八条二項の裁判を求める申立てを却下する。
       理   由
 上告代理人松本治雄の上告理由について
 相続人は、遺産の分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して、自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることはできないと解するのが相当である。上告人らは、上告人ら及び被上告人がいずれも亡伊藤泰次の相続人であるとして、その遺産分割前に、相続開始時にあった相続財産たる金銭を相続財産として保管中の被上告人に対し、右金銭のうち自己の相続分に相当する金銭の支払を求めているところ、上告人らの本訴請求を失当であるとした原審の判断は正当であって、その過程に所論の違法はない。論旨は採用することができない。
 被上告人の民訴法一九八条二項の裁判を求める申立てについて
 第一審において仮執行宣言付給付判決の言渡しを受けた者が、控訴審で民訴法一九八条二項の裁判を求める申立てをすることなく、第一審の本案判決変更の判決の言渡しを受け、これに対して相手方が上告した場合には、被上告人は、上告裁判所に対して右申立てをすることができない(最高裁昭和五四年(オ)第六九八号、第七七〇号同五五年一月二四日第一小法廷判決・民集三四巻一号一〇二頁)。したがって、本件申立ては不適法として却下すべきである。
 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
 (裁判長裁判官大西勝也 裁判官藤島 昭 裁判官中島敏次郎 裁判官木崎良平)

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→急なお願いにもかかわらず、遅い時間に対応していただき

ありがとうございました。大変参考になりました。

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