相続問題の解決に力を入れている「宝塚花のみち法律事務所」の相続分野に特化した相談サイトです。

宝塚花のみち法律事務所
相続相談サイト

お気軽にお問い合わせください

0120-302-042

お問い合わせフォーム

[受付]平日 9:00 〜 17:00 ( 完全予約制 )
※土曜・日曜・祝日( 平日の受付時間内にご予約いただければ、休日及び夜間のご相談も可能です。)

HOME > 事務所からのお知らせ

【コラム】改正民法により新設された「特別の寄与」制度について

相続人の配偶者などが被相続人の生前に療養看護を行っていることが少なくありません。

 

 

この点,現行法では「寄与分」というものが定められており,相続人の寄与については遺産分割の際に考慮するということが定められています(現行民法904条の2)。

 

 

しかし,この「寄与分」については,相続人のみが対象ですので,基本的に相続人の配偶者については認められません。

 

 

今回の民法改正では,寄与分とは別に,「特別の寄与」という制度が新設されました(改正民法1050条)。

 

 

「特別の寄与」が認められるための要件は次のとおりです(改正民法1050条1項)。

 

 

①被相続人の親族が,②無償で,③被相続人に対して療養看護その他の労務の提供をしたことにより,④被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をしたこと,です。

 

 

上記の要件をすべて満たす場合,寄与をした親族(特別寄与者)は相続人に対して寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)を請求することができます(改正民法1050条1項)。

 

 

特別寄与料については,特別寄与者は,まず相続人と協議をすることになっていますが,協議が調わない場合には,家庭裁判所に協議に代わる処分(審判)を請求することができます(改正民法1050条2項本文)。

 

 

裁判所が特別寄与料を定める場合は,「寄与の時期,方法及び程度,相続財産の額その他一切の事情を考慮して」定めるものとされています(改正民法1050条3項)。

 

 

相続人が複数いる場合には,特別寄与者は各相続人に対し,特別寄与料の額に当該相続人の相続分を乗じた額を請求できます(改正民法1050条5項)。

 

 

 

もっとも,特別寄与料の請求については,特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6か月を経過したとき,又は相続開始の時から1年を経過したときは請求できなくなりますので(改正民法1050条2項但書),注意が必要です。

 

 

なお,この新しい規定についての施行日は2019年7月1日です。

 

 

【コラム】民法改正で新設された「遺産分割前に財産を処分した場合」の規定

以前より,相続開始後,遺産分割されるまでの間に,共同相続人の一人が遺産に属する財産を処分(たとえば預貯金を引き出す)することで紛争が生じていました。

 

 

従来の法制度では,「遺産分割とは遺産分割時に存在する財産を分ける」という考え方であったため,このような処分行為については,原則として家庭裁判所の遺産分割手続きで扱えず,別途民事訴訟により解決しなければなりませんでした。

 

 

例えば,親の遺産として預貯金2000万円があり,相続人が長男と二男の2人だったとします。

 

 

そうすると1人ずつの取り分は本来1000万円ずつのはずです。

 

 

ところが,仮に,相続開始後,長男が親の預貯金から1000万円を引き出していた場合,改正前の法律では,遺産分割の対象となるのは現存している1000万円だけと考えるため,家庭裁判所の遺産分割手続きにおいて二男は500万円しか取得することができませんでした。

 

 

その結果,長男は1500万円を取得し,二男は500万円しか取得できないことになります。

 

 

これではあまりにも不公平です。

 

 

そして,この不公平を是正するためには,二男は長男に対して500万円の返還を求める民事訴訟を提起する必要がありました。

 

 

しかし,今回の民法改正により,上記の例でいえば,二男の同意があれば,引き出された1000万円を「遺産として存在するとみなす」ことができることになりました(民法906条の2)。

 

 

つまり,上記の例でいえば,現存する1000万円に加えて,長男が引き出した1000万円を加えた2000万円が「遺産としてみなされる」ことになります。

 

 

その結果,長男と二男は,それぞれ2000万円の2分の1である1000万円ずつを取得できることになり,長男は既に1000万円を取得しているため,現存している預貯金1000万円はすべて二男が取得できるという結論になります。

 

 

もっとも,今回の改正の射程範囲は,相続開始後に処分された財産に関してのみであって,相続開始前(生前)に処分されていた(引き出されていた)場合は,従来どおり,原則として民事訴訟を提起して争う必要があります。

 

 

なお,この新しい規定についての施行日は2019年7月1日です。

 

 

ページ先頭へもどる