相続問題の解決に力を入れている「宝塚花のみち法律事務所」の相続分野に特化した相談サイトです。

宝塚花のみち法律事務所
相続相談サイト

お気軽にお問い合わせください

0120-302-042

お問い合わせフォーム

[受付]平日 9:00 〜 17:00 ( 完全予約制 )
※土曜・日曜・祝日( 平日の受付時間内にご予約いただければ、休日及び夜間のご相談も可能です。)

HOME > 事務所からのお知らせ

【コラム】改正民法における夫婦間の居住用不動産の贈与について

民法改正により,配偶者を保護する規定がいくつか新設されました。そのうちの1つに夫婦間の居住用不動産の贈与に関する規定があります。

 

 

まず,現行制度を見てみましょう。

 

 

現行制度では,「共同相続人中に,被相続人から,遺贈を受け,又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与」を受けた場合,それを「特別受益」として扱い,相続分を算定するときに考慮します(民法903条1項)。

 

 

つまり,簡単にいうと,配偶者が生前に居住用不動産の贈与を受けていた場合,遺産分割で取得する遺産は少なくなります。

 

 

「特別受益」の制度は,生前贈与は遺産分けの「先渡し」であるという考え方が背景にあります。

遺産を生前に先にもらっているのだから,死後の遺産分けは少なくてもよいという考え方なのです。

 

 

しかし,実際には,居住用不動産の生前贈与は,配偶者の生活保障のために行われている場合が多いと思われます。

 

 

そして,その旨の意思表示をしていれば,現行法においても,「特別受益の持戻し免除の意思表示」(民法903条3項)となり,死後の遺産分けにおいて,少なくされることはありません。

 

 

もっとも,このような意思表示をする人は少ないため,「持戻し免除の意思表示」が認定されることは稀です。

 

 

そこで,改正法では,一定の条件を満たす場合(婚姻期間が20年以上で居住用不動産の贈与),配偶者への贈与は,「持ち戻し免除の意思表示」が推定されることにしたのです(改正民法903条4項)。

 

 

その結果,配偶者は,居住用不動産をもらったことを前提として,被相続人死亡時に残っている遺産について,法定相続分に従って取得することができます。

 

 

ただし,本規定は,被相続人の意思表示の推定規定であるため,被相続人がで反対の意思表示をしていた場合には適用されません。

 

 

現行法と改正後を比べてみましょう。

 

 

夫婦と子ども1人の家族構成とします。

 

 

居住用不動産が3000万円の価値があるとします。

20年以上連れ添った夫婦で,夫が妻に生前贈与として不動産を贈与したとします。

夫が死亡し,死亡時の遺産としては預金5000万円があるとします。

 

 

現行法では,居住用不動産の贈与は「特別受益」として扱われ,計算上,相続財産に持ち戻します(これを「みなし相続財産」といいます。)。

 

 

その結果,「みなし相続財産」は8000万円(5000万円+3000万円)となり,妻の法定相続分は2分の1なので,妻の取得分は4000万円です。

しかし,「特別受益」として生前に遺産の「先渡し」を受けていると考えるので,贈与を受けた3000万円分が控除され,夫の死後,妻が受け取れるのは預金のうちの1000万円(4000円-3000万円)です。

 

 

改正民法では,次のようになります。

 

 

妻は3000万円の居住用不動産を受け取っていますが,「特別受益」として持ち戻す必要がないので,夫死亡時の5000万円の2分の1である2500万円を取得できます。

つまり,妻は不動産3000万円分とは別に預金2500万円を取得できるのです。

 

 

本制度の施行日は,2019年7月1日です。

施行日前にされた遺贈・贈与について本制度は適用されませんのでご注意ください。

 

 

ページ先頭へもどる